エステ被害状況1
若い女性をメインに人気が出ている脱毛や美顔等をうたったエステティックサロンの施術によって、皮膚障害や火傷等の健康被害を受けたという相談が近年増えています。
県内の消費生活センターによりますと、今年4月から9月までの半年間で相談件数は25件。このままのペースでいけば昨年度一年間の46件を上回りそうです。
厚生労働省や日本美容外科医師会等は、レーザー機器の使用等の医療行為が医療機関以外によって行われ、トラブルが絶えないと指摘、永久脱毛等はドクターのいないエステティックサロンによって行わない等、注意を呼びかけています。
県のかながわ中央消費生活センター等によりますと、エステティックサロンの施術による健康被害の相談は2001年度が四十件、2002年度46件と増加。本年度は半年間で25件あり、2年半で百件を超えています。
昨年度の相談内容は、皮膚障害が23件、火傷が十五件等。大半は脱毛エステによる火傷、かぶれ、腫れ、色素沈着等の被害といいます。
このうち、30代の女性は、脱毛エステの「お試しコース」によって、レーザー機器によりひざに網状の火傷を負い、跡が残ったといいます。
二十代の女性は同じく施術後に両腕と両足が真っ赤になって、病院で火傷と診断されました。なかには5カ月以上の治療を要したり、損害賠償を訴えるケースもあったといいます。
エステ被害状況2
脱毛は、ストッキングをはかない「なま足」流行によって利用者が急増しました。ワックスによって引き抜いたり、クリームによって化学的に切除する「一時的脱毛」と、毛穴にレーザーを照射したり、針(電極)を刺し込み毛根組織を破壊する「永久脱毛」があります。
日本美容外科ドクター会によりますと、被害が多いのは医療行為にあたる永久脱毛。エステティックサロンは医療機関でないので、初期対応の遅れや衛生管理の不備等も加わり、トラブルを広げていると指摘しています。
業界関係者によれば、エステティックサロンは営業許可がいらないので実態は分からないといいますが、成長産業だといいます。
同会等では実態調査を実施、違法性が疑われる広告を出している業者には独自に通告してきました。
同会は「永久脱毛やケミカルピーリング(角質除去)等、医師法違反の行為を公然とチラシにうたっているエステティックサロンが少なくありません。
安価なサービスによって集客していますが、深刻な皮膚障害や肝炎感染等の報告もある」等と注意を呼びかけています。